業務案内
「この着物・・・どうすれば?」
シミ・汚れ・変色・色あせ・カビ・もう直らないとあきらめかけた着物、
出番のない着物、寸法が合わない等・・・。
「きものトータルクリニック山安」では、染色補正の技術もいかし、
様々な着物のトラブルを解決します。
お預かりしたお着物は、原因を追求し、適切な対応のご提案と、
お客様のご要望にお応え出来る仕上がりを宣言します。
染み抜き | ヤケ直し | 黄変染色補正 | 柄足し |
スレ直し | 金・箔 加工 | 丸洗い | 職人手洗い |
カビ落とし | 洗い張り | 染め替え | 紋加工 |
ガード加工 | プレス加工 | 湯のし・地入れ | お仕立・寸法直し |
染み抜き
シミや汚れは、水溶性・油性・水溶性と油性の混合等と内容は様々です。
また時間が経つとシミは落ちにくくなります。着物を着用して、必ずといってもいい程汚れるのが、衿のファンデーション汚れや、袖口の皮脂汚れです。
脱いだ後に自己チェックを心がけ、シミに気が付いたら早めにご相談ください。
シミの原因をつきとめ、正しい対処法で水や薬品を用いてシミ抜き・汚れ落としをします。
ヤケ直し
生地を光などに長時間当てておくと、その部分がうっすらとヤケてしまったり、タンス等に入れっぱなしで光に当てていなくても、経年変化によって染め色が退色し色ヤケする場合があります。
ヤケた部分を周りの色と同じになるように染料を調合し、ピースガンで吹き付けたり、刷毛や筆を用いて色かけをして周りの色と合わせていき、元の色になるように色補正をします。
黄変染色補正
シミ・汚れ・カビなどをそのままにしておくと、時間の経過によって酸化し、生地の地色とは関係なく黄色っぽく変色したシミになってしまいます。
シミ抜き・汚れ落し・カビ落としの加工では落ちない黄変ジミ・変色ジミは、染色補正技術で修正をします。
水や薬品を用いて変色部分を漂白し、元の色と同じになるように染料を調合し、ピースガン・刷毛・筆を用いて色かけをしていき、色補正をして復元します。
柄足し
黄変抜きでも完全に直らないシミや、生地が弱っていてシミ抜きが出来ない場合、手描き技術を駆使して、シミの上に違和感なく柄足し加工をほどこして隠します。
また、寸法直しで裄や身巾を出す際に、柄が会わない場合など、柄を書き足して違和感のないようにします。
派手になった柄を地味にしたり、穴あきや傷等に柄足しをして目立たなくする事も出来ます。
スレ直し
帯をしめる胴回り部分は、汗をかき着物が湿った状態になり、帯の表面と着物の表面がこすられて、繊維が切れ毛羽立ち白っぽくなります。また、着物を着用された際に、汚してしまった箇所をあわてて擦ったりすると、生地がスレてしまう事もあります。
まずは生地を寝かせ、周りの色と同じになるように染料を調合し、ピースガンで吹き付けたり、刷毛や筆を用いて色かけをして周りの色と合わせていき、スレが目立たなくなるように色補正をします。
金・箔 加工
古い着物の金や箔の部分が剥がれたり傷んでしまった場合、金・箔の加工をほどこして、修復をします。
また、黄変抜きでも完全に直らない変色ジミや、生地が弱っていてシミ抜きが出来ない場合、シミの上に違和感なく金や箔加工をして隠す事ができます。
丸洗い
仕立上りのまま、着物全体の汚れを石油系溶剤でドライクリーニングします。
ついてまもない油性のしみや全体的にうっすら汚れている着物はすっきり綺麗に落ちます。
ネットに入れて着物専用の機械でドライクリーニングを行います。その後日陰の風通しの良い場所で乾燥・溶剤の臭気を飛ばし、最後に着物専用の仕上台と特殊スチームアイロンを使用して、着物をふっくらと仕上げます。防虫剤等の匂いの付着、シーズンの変わり目等に丸洗いをしておくとよいです。丸洗いでは落ちない変色ジミや水溶性のシミは、シミ抜き・黄変抜き等の加工を併用される事をお勧めします。
職人手洗い
職人手洗いは、丸洗いと違い、機械的な力を一切借りず、熟練職人の技術により、着物を解かずに全て手作業で着物全体を丁寧にブラッシングしながら洗います。
1枚1枚溶剤をかえる為、風合いもよく丸洗いでは落ちきらない油性のシミや衿・袖口の細部の汚れまで落すことが出来ます。また、箔や刺繍部分をよけながら洗う事が出来る為、お着物へのリスクを最小限に抑えられる高品質な洗いです。
職人手洗いでは落ちない変色ジミや水溶性のシミは、シミ抜き・黄変抜きなどの加工を併用される事をお勧めします。
カビ落とし
着物が湿気をおびたままタンスで保管しておくと、カビが発生します。
カビは放っておくと変色ジミになってしまします。
また他の着物にもカビは移ります。丸洗いと併用して、専用の薬品を使用し、カビ菌を殺しカビを落とすのが効果的です。
染色補正の技術で、復元する事が出来ます。
洗い張り
仕立上がっている着物を全てほどいて縫い合せ、反物の状態に戻し、水に通して洗剤を使い専用のブラシにて手作業で洗います。寸法直し等をされる場合の際に、一緒に洗い張りをするのがおすすめです。
水で洗うことによって、古くなった着物も風合いや光沢が蘇り、生地に張りも出ます。水洗いですので、水溶性の汚れは落ちますが、洗い張りでも落ちない汚れ・油性のシミ・変色ジミ等は、シミ抜き・黄変抜き等の加工が必要になります。
染め替え
地色を染め替えたり、柄の色を変える事で新しい着物のように蘇ります。
染め替えは色々な方法があります。
上から色をかける方法は濃い色になりますが、脱色しない分生地の負担は軽くなります。
生地の状態がよければ色を抜いて新しい色柄に染める事もできます。
「無地染め」は地色が派手で替えたい、変色ジミやヤケが全体的にある場合等に効果的です。
紋加工
譲られたお着物の紋入れ替え、古くなって黄ばんでしまった紋のお直しや、縫い紋、抜き紋、描き紋、刷り込み紋等、用途や格式によって異なる様々な種類の紋を、職人の高度な技術で
紋入れをします。
紋はその家のルーツを語り、先祖代々からの伝統を表現するものです。
また5つ紋、3つ紋、1つ紋と紋数により格式もかわります。また、通好みの方は、洒落紋やオリジナル紋を入れる事で、後ろ姿の華やぎを楽しんで頂けるのでお勧めです。
ガード加工(ハジックガード)
雨や水分が生地にしみこまないように、ガード加工をする事で予防ができます。
絹の繊維一本一本まで薬品を浸透させる事で、高い撥水力を発揮します。
着物、コート、帯等、仕立て上った状態のままでも加工ができます。
絹の風合いや通気性をそこなう事なく、大切な着物をガード加工で守る事が出来ます。
プレス加工
いざ着物を着ようと思った際に、折ジワや小さなシワで困ってしまう事ありませんか?
着物のシワ取りやアイロンがけは、なかなか難しいものです。繊細なお着物のプレス仕上げ処理(アイロンがけ)は、とても技術を要します。
きものお手入れ専用の特殊なアイロンとプレス台にて、職人が生地や風合いを見極め手仕上げで丁寧に縮みやシワを伸ばし、絹の風合いを失うことなく着物をふっくら仕上げます。
折り目の線などお客様が着用していただいた時に気持ちよく着物を着ていただけるように丁寧に仕上げます。
湯のし・地入れ(湯通し)
湯のしは、昔ながらの機械で白生地や染めの反物に蒸気をあてノリを取り、生地の巾やシワ等をのばして一律になるように手作業で整えます。また、織の着物は絹糸にノリを固めてから一本一本織って作っており、出来上がった反物のノリを湯に通して落とす事を地入れ(湯通し)と言います。どちらも着物を仕立てる前に必ず行う工程です。湯のしは生地を整えるだけでなく、柔軟にしツヤを出し光沢を与える作用もあります。また、しばらくお仕立しなくても、紬はノリ成分が強い為、風合いが悪くなる事があるので、地入れだけはしておかれるとよいです。
お仕立・寸法直し
お仕立は、反物や仮絵羽状態の着物を、自分の寸法に合わせて縫製します。ミシン縫いと手縫いと2種類あり、ミシン縫いは比較的料金が安いですが、手縫いは和裁士が手で、一針一針縫っていくので、やはり着心地が良いです。
また、譲られた着物で寸法が合わない、着物と長襦袢の寸法が合ってない等の着物はそのまま着てもよいですが、やはりご自分の寸法に合った着物は着姿も美しくなります。
まずは着物の状態を見させていただき、ご自分の寸法にどれぐらい合わせられるかを職人の知恵と経験から診断し、寸法直しをして着物を蘇らせます。